匂いをかがれる かぐや姫 ~日本昔話 Remix~
昔話を複数の翻訳ソフトにかけて英訳、その英文を再び複数の翻訳ソフトで日本語に訳したものを組み合わせて出来たものらしいです。
一寸法師かぐや姫、桃太郎の3篇が収録されていますがタイトルは
かぐや姫⇒As soon as it smelled,princess⇒匂いをかがれるとすぐに、プリンセス からとったようです。
 
なかなか面白い言葉が多くて思わず吹き出してしまうんだけど、一例をあげると
“鬼は一寸法師を吐き出すと一目散に逃げて行きました。”
           ↓            
“The bogles escaped full speed,when A litlle law mentor was breathed out. ”
           ↓    
“少量法律助言者が吐き出されたときに、オバケはフルスピードで漏れました。”
 
とか
“「まあ、おいしそうな桃。おじいさんのお土産にしましょう。」”
           ↓
“Oh dear,a savory peach.Let's make it the old man's souvenir.”
           ↓
“「あら、塩味のモモ。老人の記念品にしましょう。」”
 
と、こんな具合なんだけど僕が一番気に入ったのは、かぐや姫がじいさん、ばあさんにお礼を述べるくだり
 
 “忘れないライフタイム、この好意。無期限にさようなら。エネルギッシュ…”
 
これなんかは売れないラップグループの歌詞とかにありそう。もしくはシンガー板尾が歌ってそう。
 
このような日本語を弄ぶとでもいうような感覚がイイですね。オイラのツボにはまります。最近の芸人さんではケンドーコバヤシって人がそういった感覚を持っていると思います。(そんな最近でもないのか?)しかし下ネタが多いのかあまりお茶の間には受け入れられづらそうなのが残念です。

 
 
この本の中の文章ほどではないけれども、日常生活の中で思わず「日本語でおk」とか言ってしまいたくなるぐらい意味のわからないコトをほざく連中が多くてイヤになってしまいます。彼らにしてみたらオイラの方こそが日本語が不自由なヒトにみえているのかもしれないですけれどね。。
前にも書いたけど僕は色弱なので人が同じモノをみても必ずしも同じような色に見えているわけではない、ということを頻繁に意識するんだけれど、考えてみれば音も同様で歳をとると高音域が聞こえづらくなっていったりするって言われるし、同じ音楽も別の人間には同じように聞こえてるわけではないのだろうと言えると思います。
直接的に五感に受ける刺激に対する感覚でさえ個人間では差異があるのだから、一つ一つの言葉に持たせる意味にはズレが生じて当然で、その言葉の組み合わせでなされる会話などではズレは大きくなるばかりだろう。いくら多くの言葉を費やしてそのズレを埋めようと試みても完全に埋まるコトはあるまい。
我々が同じ世界に生き、同じ世界を感じているなどと思っているのは須らく幻想にすぎぬのであろう…。